異動する事になりました

新型コロナは5類相当となり、脅威ではなくなりました。
海外ではコロナはもう過去のものとなり経済活動が活発化してきています。
アメリカでは景気が良くなりすぎたため、物価が急上昇しています。
アメリカの中央銀行はこれ以上のインフレを防ぐために
金利を少しずつ上げています。経済活動にブレーキをかけています。

日本はどうでしょう。原料を海外に頼っている産業やメーカーは
急激なコスト増加により製品価格を値上げしてきています。
しかし、賃金が上がらず日本の景気回復は見通せていません。
日本で作った製品を海外で売っている会社は潤っているのではないでしょうか。

不景気の波は安定産業と言われていた医療業界にも押し寄せてきました。
製薬メーカーも例外なくコスト増の影響が色濃く出てきました。
この4月の薬価改定でメーカーからの仕入れ価格が急上昇しました。
この業界は薬の販売価格の上限が薬価という形で国が決めています。
値上げはできますが、薬価を超えた価格で販売するのはタブーでした。
最近の急激な円安による原料コストの急上昇と輸送費の急上昇で
製造コストが上昇し、卸会社への販売額が上がっています。
製品によっては薬価で仕入れないといけないので私たち卸が利益が乗せられなく
なっています。

私たち医薬品卸も電気代やガソリン価格の高騰で営業コストが上がっているのに、
メーカーからの仕入れ価格が上がっています。
この業界が他の業界と違うのはこの状況で国が薬の価格の上限を下げているという事です。
食料品やエネルギー価格は値上げという形でコスト増を価格添加できます。
しかし医薬品業界はこのコスト増の状況でも、国が薬の販売価格を下げています。
なぜそんなことをするのか理解ができません。
エネルギーで言うと、発電コスト(石油・石炭価格・輸送コスト)が上昇している状況で
電気代を下げると言う事です。
普通ならそうなると発電すればするほど赤字になるので発電量を減らします。
医薬品業界ではそれが起きています。赤字の薬は作りたくないので供給制限を
掛けて生産量を減らし、その薬を使っている病気の人が増えても供給を増やさないという
手段に出ているように感じます。

今の医薬品の供給が不安定になっている大きな要因の
一つがこの薬価制度の不備にあるにではないかと思います。
もちろん小林化工事件から始まり日医工・辰巳科学によるGMP違反による
製造停止処分による供給源も大きいです。
最近のこの業界の問題は薬価制度の不備によるところが大きいと思います。
我々、卸の状況はメーカーからの仕入価格と言う名のが急上昇し、
薬価という名の天井が下がってきて、天井と床の間で働いている私たちが
板挟みになっているという事です。

この状況で得意先である医療機関(病院・クリニック・薬局)から値下げを言われる。
コストが上がっている状況なら国に薬価(天井)を上げてもらうようにすべきですが、
弱い立場の卸に皺寄せがくる。私たち卸の仕事がないがしろにされようとしている。
私たち卸が無くなればメーカーから医療機関への薬の供給がどうなるのか考えていただきたい。
少しでも理解していただきましたら是非、薬価を引き上げる
ムーブメントを起こしていただきたいです。宜しくお願いいたします。

この影響で退職者続出し、人手不足になっても人員を増やすことができず、
ワークシェアで穴埋めするため、応援で異動する事になりました。
拒否しましたが最後は業務命令ですと言われました。ネガティブな異動なので
モチベーションが下がっています。しかしもう後戻りできないので、
前に進むしかないので、少しは異動した後のことを考えられるようになり、
ポジティブに考えられるようになりました。

これまで
10年くらいお世話になったお得意先の皆さんには本当に感謝しています。
会社に入った頃はあまり仕事に対しての思い入れが浅かったのですが、
結婚し子供ができると守るべきものができると人は強くなれます。
苦しい時に負けそうになれば家族の顔が浮かびます。子供の笑顔が浮かびます。
そこで気持ちが強くなり力が湧いてきます。最近は自分を磨くために得意先と
切磋琢磨してきました。自分よりも優れた方から学び、自分の力に変えていく。
ここ10年間は飛躍的に成長できたと思います。それは私の周りに成長をさせてくれる
方が多かったからです。営業の醍醐味は得意先と共に自分も成長できる事です。
異動しても成長を止める事なく大きくなりたいです。
これまでお世話になった方々には心より感謝の意を表したいと思います。
ありがとうございました。
これからもブログとYouTubeチャンネルでお会いしましょう。

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